利益剰余金とは、企業がその営利活動で得た利益のうち、内部留保などに蓄積した部分を言います。更なる事業拡大に向けた設備投資、または将来的に生じうる損失への補填に向けた原資として、利益剰余金は非常に重要な役割を持ちます。
なお、連結会計を前提とした場合、企業の単体会計における利益剰余金と連結グループにおける利益剰余金の2つが登場しますが、うち単体会計における利益剰余金には、子会社間などでの取引分は含まれません。一方で、連結会計における利益剰余金には、連結グループ全体の利益剰余金が反映されます。
財務状態やキャッシュフローの波を避けられない企業経営において、安定的な経営を維持するためには利益剰余金が大変重要な役割を持ちます。
前期の損益については、当期の決算における利益剰余金に反映させることとなります。決算で確定済みの当期純利益(損失)は繰越利益剰余金に計上され、翌期の連結累積利益に引き継がれる形です。
なお、開始仕訳では前期末からの繰越分を引き継ぐこととなるため、利益剰余金を含め、連結グループの内部取引等における調整が必要となります。
前期で確定した損益は翌期の利益剰余金として加算されるため、開始仕訳では連結グループ全体の前期までの累積損益を正しく反映させるため、「利益剰余金当期機種残高」として処理することとなります。
なお、連結財務諸表の作成においては、親会社と子会社または子会社間での未実現利益の消去等の調整が必要です。連結財務諸表が徐々に連結グループ全体の経営実態から離れていかないよう、連結修正仕訳は毎期行わなければなりません。
親会社が子会社の支配を獲得した場合、親会社は連結会計の中へ当該子会社が累積してきた利益剰余金を算入する形となります。未分配利益として計上し、連結財務諸表において子会社の過去の利益剰余金が引き継がれます。
なお、親会社と子会社の利益剰余金は連結貸借対照表の中で相殺されるため、連結グループ全体の1項目として利益剰余金が記載されます。
会計初心者や経理担当者における利益剰余金の正しい理解は、自社の財務状態の正しい理解を助けます。自社の財務状態を正しく理解すれば、自分が担当する会計処理や報告も正しく行えるようになり、結果として財務諸表の信頼向上にも貢献することでしょう。
この専門的な処理を多く経験することで、当初は会計初心者だった経理担当者も専門能力が高まり、将来的には自社の投資戦略や配当政策に対して適切な見解を示せるようになるかもしれません。ひいては、企業の重要な意思決定に参与できる立場(取締役など)になる可能性もあるでしょう。
なお、利益剰余金の経年推移は、企業の財務分析にも大いに役立ちます。経済環境に奥自他収益性や安定性などを占める客観的な分析資料をまとめれば、ステークホルダーへの有効な説明材料にもなるでしょう。
利益剰余金の基本的な概念、連結会計における利益剰余金が調整される理由、利益剰余金を理解することで得られるメリットについて解説しました。
連結会計における利益剰余金は、いわば個人における預金のようなもの。潤沢な預金を持つ個人は、投資などを通じて資金を拡大させることもできれば、思わぬ損失が生じても生活の安定を保つこともできます。
企業も同様に、未来の事業拡大や損失補填へ備えるためには、利益剰余金の理解が非常に重要。利益剰余金の理解と正しい扱いは、連結会計における基盤と言っても過言ではありません。
連結会計システム(連結決算システム)は多機能なシステムを導入すればいいというわけではなく、自社に適したシステムを見極めて導入することが欠かせません。
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